先週、尾道までひとり旅に出かけました。HPのコラムは仕事のことを中心に掲載していますが、この感動は書き残しておきたく、例外的に旅の思い出を綴ります。
「尾道にいきたい」とはっきり自覚したのは今から15年前。国内線のフライト中、瀬戸内の上空があまりにもキラキラと輝いていて、「なんて美しい島々なんだろう。ここは・・岡山?広島?愛媛?どこだろう」と気になり地図で調べたのがきっかけです。すぐに広島と愛媛の県境にある島々であることがわかりました。そして広島側の港の玄関口にあたるのが尾道だと知ったのです。その日から
「いつか、しまなみ海道をサイクリングしてみたい」
「いつか、尾道の街を散策したい」
と、wish list(いきたい・やりたい・叶えたいを書くリストのこと)に書くようになりました。
ですが、「いつか」はなかなか現実にはなりません。調べたところ、福山まで新幹線で行き、そこから在来線に乗り換えて30分。そこまで大変ではないのですが、私生活では出不精な私にとって「わざわざ」重い腰を上げないといけない場所とインプットしてしまったのです。
今回重い腰が上がった理由は、ずっと行きたいところリストに「尾道」「しまなみ海道」と書き続けることが情けなくなってきたから。「いい加減行かんかい」と自分で自分に突っ込みが入りました。それから、なぜか「この秋、訪れるのが良さそう」と直感も働いたのです。泊まりたい宿泊先は決めていたので、すぐに空き状況を調べました。お、空いている。そして尾道に詳しい広島在住の友人にも連絡を取り、「せっかくなら一緒に過ごそう」と話はまとまりました。当たり前ですが、決断するとあれよあれよと現実になります。
何がどう素晴らしかったか、一つづつ解説をするとこのコラムが絵巻物のように長くなってしまうので、写真を掲載します。尾道の雰囲気を掴んでもらえたら嬉しいです。
今回の尾道旅で印象に残ったことは
・人(猫)の温かさ
・光と影の美しさ
・初めて訪れるのに哀愁を感じる懐かしさ
です。毎日あの海風にあたって、美しい瀬戸内の島を眺めて暮らしていたら・・セカセカしようがないだろうなぁ。
尾道は「坂の街」として有名で、ならなかなかの階段を登ることになります。(足腰が強くないと暮らせない)
でもその地形の構造上、少し坂を登ると、朝夕はいつも階段に美しい光が照らされて、陰影にハッとする瞬間が何度もありました。
海風、光と影、人の温かさ、ゆっくりと走る船、船を使って通学、通勤をする地元の人たち・・初めて訪れた街でしたが、なんだろう。ずっと懐かしい。終始、ノスタルジーな気持ちに浸りました。今で言うところの「エモい」ってやつ。エモ100%の状態で3日間を過ごしました。今回は友人とも一緒でしたが、一人で過ごす時間も多く取りました。一人静かに過ごす時間があったから、懐かしさを呼び起こしたのかもしれません。
旅行の帰り道は、どんなに楽しくても疲れるものですが、びっくりするくらい疲労感がなく、帰路につきました。私は前職CAとして、数えきれない旅をしてきましたが、ここまでスッと疲れもなく日常に戻ったのも初めて。それくらい無理をする必要がない場所だったんだなぁと、帰宅してからも尾道と瀬戸内の素晴らしさに気づかされました。
「また来年、戻ってきます」と尾道の海に誓ってきました。来年また「ただいま」と元気に戻れるように、東京での毎日を過ごそうと思います。